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シンポジウム「HIV陽性者を巡る地域支援の連続性~精神保健領域の課題への支援に焦点を当てて~」

HIV/AIDSの療養期間の長期化とともに、当事者は合併症や長期服薬による副作用のみならず、多様な療養課題に直面しています。たとえば、高齢化の課題や在宅ケアサービスの導入、他の慢性疾患もあわせた療養支援などです。その中でも精神保健領域の問題への支援は、抑うつ傾向やうつ病、薬物依存、統合失調症、発達障害などの多様な疾患による 生活健康が浮上しています。そして、HIV診療と精神科医療や地域精神保健活動とのネットワークづくりは、多くのHIV専門医療機関での喫緊の課題となっています。しかし、HIV/AIDSと精神疾患それぞれへの未だ払拭されない偏ったイメージや社会的偏見が絡まり、精神保健医療へのアクセスや支援チームの形成が難しい場合が少なくありません。

本シンポジウムでは、地域の生活への支援にあたって、HIV専門医療と精神科医療、そして地域の相談支援がつながりあうために、その課題の所在 や支援の連続性の方策について議論を深めたいと考えています。精神保健領域の課題をもつHIV陽性者への支援経験があるパネリストから、経験を踏まえた現状と課題について報告いただき、当事者を中心とした情報の共有や支援のネットワークづくりについて展望します。

■開催日時
 2010年11月26日(金) 15:10~16:40
 (第24回日本エイズ学会学術集会・総会共催セミナー)
 ※このセッションは参加費無料、学会員でない方もご参加いただけます。
■会場
 グランドプリンスホテル高輪
 B1Fロイヤルルーム(第3会場)
■共催
 財団法人エイズ予防財団
■企画・運営
 地域におけるHIV陽性者等支援のための研究班
■話題提供及びパネリスト
 「HIV診療機関の立場から」
 山中晃(新宿東口クリニック院長)
 「HIV診療外来看護の立場から」
 岡野江美
 (東京女子医科大学病院 HIVコーディネーターナース)
 「精神科診療機関の立場から」
 平田俊明(しらかば診療所 医師)
 「保健所の立場から」
 向山晴子(東京都町田保健所 保健対策課長)
■コーディネーター
 生島嗣(特定非営利活動法人ぷれいす東京)
 大木幸子(杏林大学保健学部看護学科)
                    
なお、同学会ではNGO・NPOブースにおいて当研究班制作のDVDをデモ上映するほか、研究班メンバーによる演題発表も多数予定しています。